離型紙とは

離型紙(りけいし)離型紙とは?離型紙の用途

離型紙とは

離型紙(りけいし)とは、紙に薄いフィルム状の樹脂を積層化させ、剝離性、耐水性、耐熱性、耐磨耗性などを与えたラミネート加工紙です。離型紙は、剝離紙(はくりし)という名でも呼ばれています。
製造工程において一時的に粘着性を持つ製品と離型紙を貼り合わせて、成型後に離型紙を剝離します。製品を傷つけずスムーズに剝離させるため、離型紙の表面は光沢がありツルツルと滑り性が高い質感になっています。
離型紙は、製品をスムーズに剝離させた後は再利用も可能です。破れたり穴が開いたりした場合は再利用できませんのでご注意ください。

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離型紙の用途

離型紙の用途①合成皮革の成型工程

離型紙の主な用途は、合成皮革の成型工程です。
合成皮革とは、本物の皮ではなくポリウレタン樹脂などを加工し、クロス材等と貼り合わせた製品です。合成皮革は、防水性やコスト性に優れており、衣類や家具、自動車などに幅広く使用されています。この合成皮革の製造工程にも、離型紙が使用されています。合成皮革には、PUレザー・セミ合皮・PVCレザーなどの種類があります。

PUレザーの製造工程

PUレザーの製造工程は、以下の通りです。離型紙に柔らかく溶解したポリウレタン樹脂を塗工して乾燥させて固めます。その後、接着剤を使用して布と貼り合わせ、高温状態で3日ほど薬剤を反応させた後、離型紙のみ剝離します。
PUは、ポリウレタンの略です。伸縮性があるポリウレタン樹脂を使用しているため、PUレザーも伸縮性があります。加水分解によって表面が剝落するなどの劣化が生じるため、日光や摩擦、濡れを防ぐことがより長く使うコツとなります。

セミ合皮の製造工程

セミ合皮の製造工程は以下の通りです。離型紙に溶解したポリウレタン樹脂を塗工し乾燥させて固めた後、ポリ塩化ビニルを発泡させた層を作り、布と合わせます。離型紙のみ剝離すればセミ合皮の完成です。セミ合皮は、主にカバンやベルトに使用される発色性・装飾性に優れた素材です。素材構成は、基材となるクロスとPVCの発泡層、接着面、乾式PUフィルムとなっています。

PVCレザーの製造工程

最後に、PVCレザーの製造工程をご紹介します。PVCレザーは、離型紙にポリ塩化ビニルゾルを塗工して熱して溶解し、ポリ塩化ビニルの発泡層を作って、布と貼り合わせます。その後離型紙のみ剥離させます。
PVCレザーの特徴は、耐久性とコスト性・メンテナンス性に優れているところです。PUレザーと比較すると硬くて丈夫な反面、通気性や柔軟性はPUよりやや劣ります。

離型紙の用途②炭素繊維素材の製造工程

離型紙の用途:炭素繊維離型紙のもう1つの用途は、炭素繊維を素材にした各種成型品の製造工程です。
炭素繊維とは、炭素でできた強靭な繊維です。ゴルフ用品、自動車、テニスラケット、航空機、医療用機械、建築用補強材などに使用されています。この炭素繊維をシート状に加工するための一時的な台紙として、離型紙が採用されています。

このように離型紙は、主に工場内で工程紙としての用途で使用されています。成型する製品を一時的に貼り付けて、引き剝がす際に損耗しないようにある程度の耐摩耗性が維持されるように設計されています。
また成型過程で熱を持つ製品の場合は、離型紙の耐熱性も重視されます。

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