防錆フィルムとは

防錆フィルム防錆フィルムの効果や特徴

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防錆フィルムの概要

防錆フィルムとは

防錆フィルム①防錆フィルムとは、フィルムに防錆剤を塗工した金属や鉄用の包装資材です。使い方は、対象金属を拭き取り防錆フィルムで包むだけです。防錆剤は、適度な気化性がありますので、簡便に防錆包装ができ、直ちに防錆効果が発揮されます。しかも、油取りなどの手間が要らず、開封後すぐに製品の使用が可能です。軽包装から重包装、更には合紙用にいたるまで各種用途に応じた構成の製品が用意されております。防錆油を併用することなく高温多湿下でも優れた防錆効果が得られます。→防錆フィルムの製品一覧を見る

防錆フィルムのメリット・デメリット

防錆フィルム①防錆フィルムのメリットは、フィルム状でそのまま製品を包むので取り扱いが比較的容易であること、透明性が高く包装した状態でも外から製品の状態を確認することができること、防錆と包装を兼ねることができることなどが挙げられます。ブリードによる製品への異物付着もありません。また包装する製品に合わせてサイズや形状を選定できます。燃焼しても有毒なガスが発生しないというメリットもあります。防錆フィルムのデメリットはヒートシールができないことが挙げられます。

防錆フィルム製品

防錆フィルムのメカニズムポリエチレンフィルムに防錆加工をしており、厚みは、70μから製造可能です。
フィルム色は、透明・青・緑・黄色・赤の5色からお選び頂けます。
  <用途例>
   ・ KD梱包用 (自動車部品)
   ・ 部品包装用 (半導体・弱電用部品)
   ・ 鋼板、コイルの保管用
鉄鋼、自動車産業向けに使用される事が多く、特に自動車産業向けが圧倒的に多いです。昨今は、環境対策や作業の短略化などの理由により、防錆フィルム化が進みつつあります。素材の単一素材化による環境問題、リサイクル化への第一歩です。

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フィルムの製造方法と性質

防錆フィルムは、防錆効果のある包装用フィルムです。鉄や金属を腐食・錆から守り保管輸送の際に使用します。
同じく防錆効果のある防錆紙と比較して最も大きな違いは、基材が紙ではなくフィルムであることです。フィルムの性質や製造方法についてご説明します。

フィルムの製造方法①インフレーション法

インフレーション法はポリマーがリング台から押し出されて半溶融・半固体状の状態で成膜します。別名チュープラ法ともいい、フィルムの透明性はTダイ法より低いです。インフレーション法のメリットは、裁断ロスが小さく設備機械が省コストな点が挙げられます。一方デメリットとしては、平面性に難があり厚さが均一になり難いという点があります。

フィルムの製造方法②Tダイ法

Tダイ法とは、溶融樹脂をTダイより押し出して急速に冷却し成膜する方法です。Tダイ法で製造されたフィルムの透明度の高さはこの急冷過程に由来しています。
Tダイ法のメリットはCPPやOPPフィルムを平面性・厚みの均一性に優れた状態で製造できることや、透明性に優れたフィルムを製造できる点にあります。一方Tダイ法のデメリットは、裁断ロスが多く設備コストが高くなりがちな点です。

フィルムの性質

引っ張り強さ
引張強さは試験対象を引っ張った際の破断する強度を表す数値です。引張試験機で試験片を縦方向と横方向それぞれ引っ張ります。引張強さは数値が大きいほど強度が高いです。引張強さのあるプラスチックフィルムの例を挙げるとPET、ナイロン、OPPなどが挙げられます。引張強さが低いプラスチックフィルムは、ポリエチレンや軟質ポリ塩化ビニルなどがあります。
引き裂き強さ
引き裂き強さは、フィルムを引き裂き破断する強度を計測します。引き裂き試験機を使用して試験片を振り子で引き裂きます。こちらも数値が大きいほど強度があります。引き裂き強度が大きいフィルムはPET、ポリエチレン、CPPなどです。引き裂き強度が低いフィルムはポリスチレンなどが挙げられます。
耐衝撃性
耐衝撃性はフィルムの衝撃に対する強さを測ります。試験機で重りを落下させて試験します。PET、ポリカーボネートは比較的耐衝撃性が高く、CPP、高密度ポリエチレン、ポリスチレンは耐衝撃性が低いです。
寸法安定性
寸法安定性とは、温度や湿度また薬剤などの影響で素材の膨張や収縮など変化が生じる度合いを表す指標です。PET、OPPは寸法安定性が高く、ナイロンは比較的低いです。
防水性
防水性とは耐水性、漏水性、はっ水性のことを指します。
バリア性
フィルムのバリア性とは湿度や酸素などの気体やガス・香りを遮断する度合いを表します。錆の発生には酸素と水が必要になるので、防錆フィルムはある程度のバリア性が必要になります。ポリ塩化ビニル、ナイロン、PETはバリア性が高い素材です。アルミ蒸着フィルムやアルミ箔、シリカ蒸着、アルミナ蒸着などのバリア性が高い素材と貼り合わせる方法も、基材のバリア性を向上させるのに有効です。

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金属の種類と防錆の効果

防錆の効果

防錆フィルムと金属金属の種類によって錆の進行速度は異なります。防錆を考える場合は金属の性質と防錆効果、輸送や保管環境を考慮し、できる限り腐食速度を遅らせコストと工数を軽減できる防錆方法を選択します。
防錆方法には最も一般的に使われている防錆塗装、防錆塗料、防錆メッキ、防錆用金属皮膜、防錆資材の活用などが考えられます。一時的に手軽に防錆を行う場合は防錆紙や防錆フィルムなどの防錆梱包資材がおすすめです。防錆紙・防錆フィルムなら防錆の必要がなくなったときにすぐに防錆資材を取り除くことができます。

米軍規格(Military Specification)では金属別の防錆の必要度が示されています。以下にざっくりとまとめました。
防錆の必要性が非常に高いものとして、精密表面の全種類のマグネシウム合金、マグネシウム、鉄鋼またはその合金(ステンレス鋼を除く)が挙げられています。
防錆の必要性が高いものには、非精密表面の鉄鋼、マグネシウムまたはその合金(ステンレス鋼を除く)のほか、装飾目的以外のクロム、ニッケル、銅、銀、またはスズをメッキした鉄鋼があります。構造用鋼(低合金・高降伏点形式)は防錆の必要性がやや高いとされています。
防錆の必要性が中程度のものは、精密表面の鉄鋼銀、銅、黄銅、ベリリウム、鉛、カドミウム、亜鉛、バビットおよびアルミニウム合金です。それよりもやや低いものは鉛とスズの合金または鉛をメッキした鉄鋼、精密表面のステンレス鋼、モネルメタル、アルクラツドアルミニウムまたはチタンがあります。
非精密表面の銀、銅青銅、黄銅、ベリリウム、鉛バビット、カドミウム、スズおよび全アルミニウム合金、装飾目的のめっき全般については防錆の必要性がやや低めとされています。
防錆の必要性が低いとされているのは、非精密表面のステンレス鋼、モネルメタル、アルクラッドアルミニウムおよびチタン、固形被膜潤滑剤、下塗り表面、塗装面、プラスチック被膜面です。
このように金属の種類と用途によって防錆の必要性は異なります。
環境によっても適切な方法が変わりますので、お気軽にお問い合わせください。弊社には防錆管理士が常駐しており、常に防錆のプロフェッショナルとして最適な解決策をご提案いたします。

防錆梱包材の選び方と金属の種類

金属の種類と防錆梱包材の選び方をご紹介します。腐食には水と酸素が必要なため金属の酸素との結合エネルギーが大きいものほど錆やすいです。酸素との結合エネルギーという観点でのみ考えると①鉄②銅③白銀④銀⑤金の順で錆やすいといえますが、実際には製品の輸送環境や表面処理の程度にも左右されます。
防錆梱包材とは鉄製品や金属を防食・錆から守る梱包・包装資材です。錆び方は金属の種類によって変化するため金属の種類と錆び方に合わせて防錆梱包を正しく選ぶことで、製品を錆から守り安心してお客様や次の工程に引き渡すことができます。

防錆梱包のための金属の種類と腐食の特徴

一般的な鉄・金属の種類についてご紹介します。

純鉄
不純物を含まない純粋な鉄を指す。鉄(Fe)純度が99.90~99.95%、炭素含有率が0.02%以下が目安となります。強度はやや低めです。
合金鋼
合金鋼とは、炭素鋼に元素(マンガンや、クロム・モリブデン・ニッケル・アルミニウム等l)を含ませることで使用用途に合った性質にしたものを指し、腐食しづらい耐食鋼、高強度の高張力鋼、高温に強い耐熱鋼などがあります。
炭素鋼
合金鋼や特殊鋼に該当しないものを炭素鋼といいます。炭素含有量が0.3%以下のものを低炭素鋼、0.3~0.6%を中炭素鋼、0.6%以上を高炭素鋼と呼び分けます。
鋳鉄(ちゅうてつ)
ケイ素を加えることで鋳造性を高めた、炭素2%~6%、ケイ素1%~3%の鉄合金を鋳鉄といい、ねずみ鋳鉄や白鋳鉄などの種類があります。
チタン
チタンは酸化物が安定しており強い耐食性を持つ金属です。
ステンレス鋼
ステンレス鋼とは、鉄に一定量以上のクロムを含有する合金鋼です。
銅は導電性や熱伝達性に優れています。
アルミニウム
アルミニウムは、高い熱伝導性・電気伝導性をもつ軽量の金属です。
→アルミラミネートとは
亜鉛
亜鉛はメッキによく使われていますが、その理由は鉄や鋼に比べてイオン化の傾向があり金属に接触させることでその金属の錆を防ぐことができるためです。
ニッケル
ニッケルはステンレス鋼の製造に使用されます。

防錆フィルムは鉄、鋳鉄、銅、亜鉛メッキ、アルミニウムなどの金属に最適な防錆包装資材です。

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防錆フィルムのメーカーなら

防錆フィルムのメーカー堀富商工株式会社は、防錆フィルム・防錆紙の製造メーカーです。貴社のご要望に合わせてオーダーメイドの防錆資材のご提案が可能です。自社一貫生産の防錆フィルムで鉄や金属製品を錆から守ります。防錆紙・防錆フィルムは製品を包むだけで防錆効果が得られるため、ふき取りの手間がなく工場の省工程化にも貢献します。ブリードによる製品への異物付着もありません。
防錆フィルムのご質問やお見積りについては以下のお問合せフォームよりお気軽にお声掛けください。
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